LF対談

「シュゴシン」と命名したことが、
発見の明確な印象づけにつながったかもしれません No.78(2016.6)

東京大学分子生物学研究所染色体動態研究室 教授
渡邊嘉典 氏

公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団
岸本忠三 理事長

酵母を研究対象に分子生物学に取り組む

岸本 渡邊先生は、生物学に幼少のころから興味があったんですか。

渡邊 ええ。育ったのが、岐阜市の太郎丸という田舎で、小さいころは山で虫取りとか川で魚捕りとか、生きものとよく接していましたね。高校の生物の授業がおもしろかったのもあり、生物系の分野で研究者になりたいという気持ちがありました。

岸本 それで、東大に入られて、理学部の岡田吉美先生のところで、まずタバコモザイクウイルスの研究をされたんでしたね。

渡邊 そうです。卒業論文の研究がそれでした。生物を分子レベルで勉強したいと思っていて、岡田先生の研究室では分子生物学をちょうど始められたところだったんです。

岸本 それで、ウイルスから今度は……。

渡邊 酵母です。東大の医科学研究所の山本正幸先生の研究室に移りました。

岸本 どうして山本先生の研究室で酵母を使った研究をしようと思われたんですか。

渡邊 自分から考えて選んだようなものではなかったですね。ただ、理学部には秀才が多くいてなんとなく窮屈でした。岡田先生から「山本先生という非常に優秀な先生がいるから、そこに進んだらどうだ」と言われ、山本先生の研究室に入らせてもらったんです。研究室には、僕の2学年上に飯野雄一先生(現・東京大学大学院理学系研究科 教授)がいて、体細胞分裂から減数分裂に切り替えるスイッチに係わる因子を見つけられていたので、僕はその遺伝子解析を手伝う形で始めたんです。

岸本 酵母が研究対象としてよいのは、どんなところですか。

渡邊 酵母は単細胞生物ですが、生物の進化的には酵母のあたりから染色体や核をもつようになって、細胞の基本的な機構が今日のヒトにまでつながっている、その原点のような存在なんです。
だから、多くの研究者が生命科学の研究のいちばんベースであろう酵母を研究対象にしたんだと思います。遺伝子解析もシンプルにできますし。そのころはみなさん「とにかくやりやすそう」ということで酵母を扱っていたんだと思います。

岸本 酵母は、体細胞にも生殖細胞にもなるんですよね。ヒトの細胞であれば、体細胞になるとか、生殖細胞になるとか運命づけられていると思うけれど、酵母はどうやって体細胞になるか、生殖細胞になるかが決まるんですか。

渡邊 栄養が枯渇すると、生殖細胞をつくるための引き金になるような遺伝子が出てくるんです。栄養のシグナルが、細胞のなかのシグナル伝達の領域に入って、さまざまな遺伝子の発現のしかたが変わるんです。

岸本 酵母は飢餓状態になると、減数分裂に切り替えて子孫を残そうとするわけですか。栄養がないときには一生懸命に工夫をする。私たち人もお金が少なければ、一生懸命に考えたり工夫したりする。それと似ていますね(笑)。

渡邊 たしかにそうですね(笑)。僕らも、学生たちによく「一石二鳥のことをやったほうがいい」と言っています。「考えて工夫すれば、一度で二つのことがわかるような実験を組むことができるから」と。なるべく少ないお金で研究する方法を考えるのは重要ですね。お金がありすぎると、かえってよくないこともある気がします。

コヒーシンが「糊」として染色体の中央をつなぎとめる

岸本 その後、渡邊先生は酵母などを扱うなかで「コヒーシン」というタンパク質複合体に着目されたんですよね。コヒーシンとは、どんなものですか。

渡邊 ごく簡単にいうと、染色体をくっつけておく「糊」みたいなものですね。

岸本 体細胞分裂のとき、ヒトで言ったら23対46本の染色体があって、DNA複製のときにそれぞれコピーを作ります。そのとき、複製した染色体がばらばらにならないよう、ひとまとめにくっつけておくのがコヒーシンだとか。

渡邊 そうです。ヒトの細胞でいうと、細胞分裂のとき染色体が一時期「X」のような形になりますが、その中央にコヒーシンが残っていてつなぎとめているのです。もともと染色体のいたるところにコヒーシンはくっついているのですが、染色体が凝縮してくるとつぎつぎコヒーシンが外れていき、中央の部分だけコヒーシンが残ることになります。

岸本 コヒーシン自体はどんな形をしているんですか。

渡邊 リング状と考えられています。染色体が2本あったら、その2本を抱え込んでくっつけておくのです。

コヒーシンを守る因子「シュゴシン」を発見

岸本 その、セントロメアに最後まで残っているコヒーシンが外れないのは、渡邊先生が発見された「シュゴシン」というタンパク質が働くからということですね。

渡邊 はい、そうです。

岸本 どういう経緯でシュゴシンを見つけたんですか。

渡邊 東大の理学部の助教をしていたとき、留学する機会を得て、イギリスのポール・ナースの研究室に行ったんです。ナースの研究室は細胞周期の研究をしていました。一方、僕はというと山本先生の研究室で減数分裂の研究をしていました。そこで、実験で酵母にちょっといたずらをして、減数分裂のスイッチが入るタイミングを変えてみたんです。すると、染色体の分配がおかしくなったんです。それがまず、シュゴシン発見の前段となる、染色体の分配のしかたを研究するきっかけでした。それで、コヒーシンのなかでも、コヒーシンRec8と呼ばれるものが減数分裂の染色体の接着に必要で、さらにその機構はヒトを含むすべての哺乳類で保存されていることを突き止めました。

岸本 コヒーシンには種類があるんですか。

渡邊 ええ。コヒーシンでも、体細胞分裂期に染色体をくっつけている「糊」と、減数分裂期に細胞で染色体をくっつけている「糊」では、分子が少しちがっていたんです。それを見つけたこと自体もかなり大きな発見でした。コヒーシンRec8は、減数分裂する細胞の染色体をくっつけるのに働くような因子だったのです。
けれども、コヒーシンのちがいだけで染色体の分配のしかたを説明できるかと思っていたらそうではありませんでした。コヒーシンRec8を試しに体細胞分裂期に入れても、ふつうに体細胞が増えるだけだったんです。つまり、コヒーシンのちがいだけでは、染色体の分配は異ならないとわかりました。そこで、今度は逆に、減数分裂のとき染色体をくっつけておくコヒーシンRec8を壊して、そこに体細胞分裂期に染色体をくっつけておくコヒーシンを入れて発現させたんです。すると今度は減数分裂が起きず、体細胞分裂が起こりました。
これらの結果から、減数分裂のときコヒーシンRec8のほかに、なにかべつの因子が発現して初めて、減数分裂する細胞の染色体がばらばらにならないように保護しているのではないかと考えました。そこで、スクリーニングするために生殖細胞からcDNAライブラリーをつくって、次々と未知の因子の候補とコヒーシンRec8とを体細胞分裂する酵母に強制的に発現させて、細胞増殖が阻害されるものを探しました。それでコヒーシンを守る因子が見つかりました。それが、シュゴシンです。

岸本 シュゴシンがコヒーシンを守っているから、染色体が離れないわけですか。

渡邊 はい。染色体の「X」の中央の部分をつなぎとめているのはコヒーシンですが、そのコヒーシンを守っているのがシュゴシンです。コヒーシンのリングは、リン酸化を受けると開いてしまうんですが、シュゴシンがホスファターゼという酵素を連れてきて、リン酸化を起こさないようにしているんです。
それで、酵母でシュゴシンを見つけたので、哺乳類でもシュゴシンが働いていることを確かめようとしました。マウスで実験してみると、やはり減数分裂をする細胞の染色体がばらばらにならないでいるためには、シュゴシンの働きが必要だとわかりました。ヒトでも、この働きが保存されているだろうということを示しました。

日本語的な命名で日本人による発見を印象づけ

岸本 シュゴシンの発見をめぐっては、渡邊先生とキム・ナスミス博士とでかなりの競争になったそうですね。

渡邊 そうですね。でも、はじめは競争になっていることを把握していませんでした。国際学会に出席するためオーストラリアに行ったとき、ナスミス博士の研究室を訪れたんです。その場で彼もコヒーシンを守るタンパク質を探しているんだと知りました。
その国際学会では、シュゴシンのことを発表する予定はなかったのですが、「ここで言っておかないと、ナスミス博士に追いつかれてしまう」と直感して、発表に踏み切ったんです。

岸本 その発表のときは、渡邊先生は、すでに「シュゴシン」と呼んでいたんですか。

渡邊 いえ、まだ「プロテクター」の意味をとって、「PRT」などと呼んでいました。けれども、その呼び名はほかの遺伝子と重複するので、よくありませんでした。

岸本 呼び名をいかに上手につけるかは、やっぱり大事ですね。

渡邊 そう思います。

岸本 シュゴシンは、守り神の「守護神」を意識されて名付けたんだろうけれど、どうして、この呼び名にされたんですか。

渡邊 ちょうどそのころ私の研究室に、外国人のポスドクが来ることになっていて、彼女が「日本語由来の呼び名にしたほうがいい」って言ってくれたんです。なぜかと聞くと、「日本語由来の呼び名にしておけば、日本人が見つけたとわかりやすく、印象づけられるから」ということでした。

岸本 なるほど。

渡邊 僕たちが「シュゴシン」と命名するとき、ナスミス博士たちは「それはよくない」などと言ってきたのですが、僕たちの研究材料を提供するから呼称は「シュゴシン」にするということで合意を得ました。
呼び名にこだわっていたからこそ、誰の発見かがぼやけずはっきりしたのかもしれないですね。

 

渡邊嘉典 氏

渡邊嘉典 氏

東京大学分子生物学研究所染色体動態研究室 教授

1961年、岐阜県生まれ。1984年、東京大学理学部卒業。1986年、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。1989年に東京大学博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員(東京大学医科学研究所)、東京大学大学院理学系研究科助手などを経て、1996年、英国王立がん研究所客員研究員。1999年、東京大学大学院理学系研究科助教授。2004年より現職。専門分野は染色体動態。接着因子タンパク質コヒーシンRec8を分解から守る因子「シュゴシン」を同定するなど、細胞分裂に関わる分子機構を研究してきた。2015年、朝日賞受賞。内藤記念科学振興賞受賞。武田医学賞受賞。

染色体がバランスよく並ぶための張力を働かせるシュゴシンも

岸本 シュゴシンは、減数分裂のときに現れるわけですか。

渡邊 最初、僕らが見つけたのは、減数分裂のときだけ発現するシュゴシンだったんです。ところが、酵母でよく調べてみると、減数分裂だけでなく、体細胞分裂をしている細胞でも発現するシュゴシンが見つかりました。「シュゴシン2」と呼んでいます。

岸本 シュゴシン2の働きは、どんなものなんですか。

渡邊 シュゴシン2にもすごく大事な働きがあることがわかりました。細胞分裂のとき、「X」のような形で中央がくっついている染色体に対して、両側からスピンドル微小管が伸びてきて、染色体を引っ張りますよね。そのとき、染色体がバランスよく並ぶために、その張力を感じる機構があるんですが、それを担っているのがシュゴシン2です。別の因子を染色体の中央に連れてくる役割をしています。

シュゴシンの機能異常からがん細胞が発生

岸本 コヒーシンやシュゴシンの働きが異常になると、細胞分裂がうまくいかなくなりそうですね。

渡邊 ええ。そもそも、がんというのは、染色体の分配が不安定になっていることが特徴的な要因なんです。

岸本 がんの細胞では、染色体がまちがって分配されてしまいがちなわけですか。

渡邊 はい。がん細胞の多くに共通してそうした染色体の分配のまちがいが見られます。実際、がんの組織を見てみると、染色体の数そのものがかなりおかしくなっているのですが、その過程が、ゲノムを不安定化して、がんの悪性化などに寄与しているのではないかと考えられています。

岸本 染色体の分配のまちがいでは、シュゴシンはどうなってしまっているんですか。

渡邊 最初の染色体のまちがいを起こすメカニズムのところにシュゴシンが関わっているということはわかりました。2015年に論文にしました。
シュゴシンの機能がまったくなくなると、染色体はばらばらになり、がん細胞でも死んでしまいます。実際には、シュゴシンの機能が半分ぐらいに落ちる経路がいくつかあります。具体的には、先ほど言ったシュゴシン2の機能のうち、オーロラキナーゼという因子を連れてくる機能が低下すると、染色体のまちがった結合が修正されずに分配されてしまいます。

岸本 ということは、減数分裂だけでなく、すべての細胞の分裂にシュゴシンが大事だということなんですか。

渡邊 はい。まとめますと、シュゴシンはすべての細胞において、染色体が分裂するとき接着の働きをするコヒーシンを守ります。これが一つ目の役割です。その後、微小管が染色体にくっつくとき、オーロラキナーゼを連れてくることで染色体と微小管の正しい結合をさせます。これが二つ目の役割です。

岸本 染色体の分配の異常では、ほかの病気ももたらしますか。

渡邊 はい。たとえば、ダウン症があります。それに、高齢不妊にも関連しています。高齢になると、生殖細胞に特異的なコヒーシンがなくなってしまうんです。すると染色体がばらばらに離れてしまいます。「覆水盆に返らず」の言葉どおり、一度、離れたものをくっつけることはできません。
ただし、コヒーシンの量を増やすとかといった、進行を遅らせるための方法はなにかあるかもしれません。

シュゴシンの司令塔となる因子「マイキン」の研究に着手

岸本 いまはどんなことを研究しておられますか。

渡邊 コヒーシンやシュゴシンのほかに、もう一つ、重要な因子があることを見つけたのでその研究もしています。「マイキン」という因子で、酵母では10年ほど前に見つけていましたが、2014年に哺乳動物でも見つけたことを発表しました。

岸本マイキンはどういう因子なんですか。

渡邊 シュゴシンよりもさらに上位に位置する因子で、マイキンがないとシュゴシンがおかしくなります。ですのでマイキンは「司令塔因子」とも呼ばれます。
体細胞分裂のときは、動原体が反対方向に分かれていきます。でも、減数分裂のときは同じ方向に進みます。方向が反対か同じかの制御をしているのがマイキンです。酵母では見つけていたのですが、哺乳類では相同性もなく長いことわかっていませんでした。それを最近マウスで見つけたわけです。
マイキンもまた、リン酸化酵素を連れてきます。そのリン酸化酵素は「ポロキナーゼ」といいます。では、そのポロキナーゼによってどのようにリン酸化が入り動原体の引っ張られる向きが決まるかといったことは、酵母も含めてまだ解明されていないので、研究しているところです。

岸本 渡邊先生は、研究するとき「運鈍根」をモットーにしていると聞きます。2015年に武田医学賞を授賞なさったときも、研究での成功の秘訣は「運鈍根」だと述べられていましたね。

渡邊 はい。「運」というのは、まさに、運がよかったということです。酵母を使った研究をすることができたのも運がよかったと思います。山本先生の研究室に行くとき、思考が単純だったので、「基礎的な研究なら単細胞の酵母でもできるかな」といった程度で酵母に取り組むことにしました。僕を受け入れてくれた山本先生も素晴らしい先生でした。

岸本 「鈍」はどういう意味ですか。

渡邊 鈍感なんですよね。のんびりと、あまり競争とか制約のない環境で研究をするのが自分には合っている気がします。「いまはこれを研究しなければいけない」といったことでなく、自分が「これはおもしろい」と思うことをやってきました。

岸本 最後の「根」はいかがですか。

渡邊 根気であり、根性でもありますね。研究はうまくいくまでやる。諦めないことが大切だと思います。

岸本 今日は、どうもありがとうございました。

 

EYES

細胞分裂における染色体の分配を正しく導く「シュゴシン」

細胞分裂における染色体の接着・分離                                鍵になるコヒーシン、シュゴシン、マイキン

体細胞分裂は、生体のさまざまな細胞で起きる、一般的な細胞分裂といえます。母細胞(細胞分裂をするもとの細胞)のなかにあるそれぞれの染色体(複製された染色体がペアになったもの)が縦に分離して、新しく生じる娘細胞に均等に配分されます。したがって、体細胞分裂では、母細胞と娘細胞では遺伝子の構成は同じになります。

一方、減数分裂は、精子や卵などの生殖細胞を形成するときに見られる特殊な細胞分裂といえます。減数分裂の一連の過程では、2回の分裂が起きます。まず第一分裂では、父由来の染色体と母由来の染色体それぞれの数が2倍(計4つ)になってから交叉(DNAの組換え)が起き、その後、細胞が分裂して染色体数が半減します(細胞数は2個に)。つづく第二分裂では、体細胞分裂と同様の分裂が起きます(細胞数は4個に)。ヒトを含む減数分裂をする生物は、DNAの組換えを通じて、遺伝子の多様性を獲得することができます。

減数分裂や体細胞分裂では染色体が分離するわけですが、これは、とりもなおさず分離する前は染色体が接着していたことを意味します。その接着の働きの担い手が1997年に発見された「コヒーシン」というタンパク質複合体です。コヒーシンが分解され接着機能がなくなるため、染色体は分裂するわけです。

しかし、減数分裂についていえば、第一分裂ではコヒーシンの一部が解かれずに働くため染色体は接着したままで、つぎの第二分裂のときにコヒーシンが解かれて染色体が分裂します。

どうして、このようにコヒーシンは働いたり解かれたりするのでしょう。この疑問を解明したのが今回の対談で登場していただく東京大学分子生物学研究所教授の渡邊嘉典氏です。2000年、研究室の大学4年生だった北島智也氏(現・理化学研究所多細胞システム形成研究センター チームリーダー)とともに、渡邊氏は「減数第一分裂のときコヒーシンを分解から守っている分子」の探索に着手しました。

そして、2002年に同定したのが、後に渡邊氏が「シュゴシン」と命名するタンパク質です。

さらに、減数分裂する細胞だけでなく、もう一つのシュゴシンが体細胞分裂する細胞の中にも存在することが渡邊氏の研究により明らかになりました。体細胞の分離する前の染色体は「X」のような形をしていますが、その中央の交差部分(セントロメア)をつなぎとめているコヒーシンを、シュゴシンが守っていることがわかったのです。渡邊氏は、はじめ酵母の細胞内でシュゴシンを同定しましたが、後に、私たちヒトを含む哺乳類にも共通して保存されていることも解明しました。体細胞分裂する細胞では、染色体が分離するときにスピンドル微小管により反対方向から引っ張られていきますが、染色体がその張力を感知するしくみにおいてもシュゴシンは重要な役割を果たします。

近年では、さらに渡邊氏の研究により、減数分裂する細胞において、シュゴシンの“司令塔役”である「マイキン」というタンパク質の存在も明らかになっています。染色体のセントロメア上に存在する動原体の一方向性を決める働きがあることがわかってきました。また、マイキンが欠損したマウスでは、シュゴシンが機能せず、減数分裂が通常どおりに行われません。このような染色体分配の異常がダウン症や不妊とも関係しているものと考えられます。

このようにして、細胞分裂する生物のもつ精緻なしくみが解明されつつあり、医療への応用の期待も高まっています。

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