多様化する現代社会において、高次脳機能異常を主体とする発達障害・精神疾患の解明は喫緊の課題であり、神経科学におけるホットトピックである。高次脳機能は遺伝子・分子発現から回路機能までの階層的な生理機能によって担われており、このような階層的生理機能が発達期から成熟期までの時期特異的に発現することによって正常な脳機能が発揮する。一方で、これまでの研究トレンドは、遺伝子異常などの分子研究が主流であった。本セミナーでは多角的な観点から精神疾患に迫るために、分子からシステムまでの多階層を網羅する最先端技術や計算理論などを駆使した精神疾患研究の新潮流を紹介する。精神疾患におけるミクロ〜マクロまでの神経回路異常を描出・再構成し、病態解明に迫りたい。
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ポスター リーフレット 講演要旨集 |
はじめに |
名古屋大学大学院医学研究科 分子細胞学
教授 和氣 弘明
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精神疾患におけるグリア細胞 |
名古屋大学大学院医学研究科 分子細胞学
教授 和氣 弘明
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計算論的精神医学:脳の計算理論に基づく精神疾患の病態解明 |
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所
室長 山下 祐一
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ストレスの生物学的基盤:炎症を起点とした脳組織リモデリング |
神戸大学大学院医学研究科 薬理学分野
教授 古屋敷 智之 |
脳の発達を駆動する神経回路再編メカニズム |
東京大学大学院理学系研究科
生物科学専攻脳機能学分野
教授 榎本 和生
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精神・神経疾患の基盤としてのシナプス形成機構の解明 |
慶應義塾大学医学部 神経生理学
教授 柚﨑 通介
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樹状突起演算と精神疾患:なぜ樹状突起スパインのサイズが重要なのか? |
理化学研究所 脳神経科学研究センター
多階層精神疾患研究チーム
チームリーダー 林(高木) 朗子 |
おわりに |
理化学研究所 脳神経科学研究センター
多階層精神疾患研究チーム
チームリーダー 林(高木) 朗子
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