近年のがん免疫療法、とりわけ免疫チェックポイント阻害剤の臨床応用は、がん治療に新たな選択肢を提供し、大きな変革をもたらしています。このような免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法の開発の功績によりJames P. Allison教授、本庶 佑教授にノーベル生理学・医学賞が授与されました。がん免疫療法は、従来の外科的治療・化学療法・放射線療法といったがん自体を標的とする治療と異なり、宿主の免疫系を活性化することで、がん細胞を攻撃、駆逐します。免疫チェックポイント阻害剤の臨床効果は、多くの福音をもたらす一方で、全てのがん患者に有効ではないこと、また、がんが様々な免疫抑制機構により免疫系からの攻撃を逃避していることを明らかにしました。本セミナーでは、これらのがん免疫療法の臨床展開から明らかにされた問題点をもとに進んだがんが持つ免疫抑制機構の研究、及び新たながん免疫療法の臨床展開について議論します。
|
ポスター(PDF) プログラム(PDF)
|
はじめに |
札幌医科大学
名誉教授 佐藤 昇志
|
CCR2会合分子FROUNTを標的とした腫瘍浸潤マクロファージ制御によるがん免疫治療 |
東京理科大学生命医学研究所
教授 松島 綱治
|
がん微小環境での免疫抑制ネットワークとがん免疫療法 |
国立がん研究センター研究所
分野長 西川 博嘉
|
リゾリン脂質の免疫抑制作用とがん |
東北大学大学院薬学研究科
教授 青木 淳賢
|
抑制性免疫補助受容体によるがん免疫と自己免疫の制御 |
徳島大学先端酵素学研究所
教授 岡崎 拓
|
Proteogenomicsによるネオアンチゲンの探索 |
札幌医科大学医学部
教授 鳥越 俊彦
|
遺伝子改変T細胞の輸注療法 ― 特異性、コンストラクト、細胞 ― |
三重大学大学院医学系研究科
教授 珠玖 洋
|
おわりに |
国立がん研究センター研究所
分野長 西川 博嘉
|