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「脳と心の神秘に迫る」講演会のご案内
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趣旨
デザイン・制作プラン
新適塾は緒方洪庵の適塾にちなんで名づけられた勉強と交流の場です。適塾らしく、権威にとらわれることなく「何でも聞けて本音で話す」、「何を尋ねても恥ずかしくない」雰囲気で自由闊達に議論できる場、若者が主役を演じられる場を目指して会合を続けてきました。その精神を継承しながら、このたび装いも新たに以下の3つの会合を始めます。毎回夕方から講演会を開始し、講演を聞いた後、軽食と飲み物を用意しますので、講師を囲んで歓談をお楽しみ下さい。大学、企業、研究機関の多くの研究者が参加して交流の輪を広げることを期待しています。参加料は無料です。
【コーディネーター】 村上富士夫(大阪大学大学院生命機能研究科)
藤田一郎  (大阪大学大学院生命機能研究科)


講演会のご案内
第9回
「小脳皮質形成におけるリーリンの役割」

講師:宮田 卓樹  名古屋大学大学院医学系研究科細胞生物学分野 教授

日時:平成22年3月11日(木) 17:30〜20:00
場所:千里ライフサイエンスセンタービル 8階 801〜802号室(講演会)、5階ポート5(懇親会)
参加費:無料

(※お車でお越しの方は、懇親会でのアルコールはご遠慮下さい。)

小脳皮質形成におけるリーリンの役割

名古屋大学大学院医学系研究科 細胞生物学分野
宮田 卓樹

 小脳は,古くから姿勢や運動の制御に重要な役割を果たすことで知られてきました.脳がどのように形成されるかを解き明かそうとするさまざまな研究の歴史のなかで,哺乳類を用いての研究が先導役を果たして来ているのが,この小脳の形成に関する話であると言えます.小脳に形成不全があると,歩行に明らかな異常をきたします.歩行異常をもとにして1948年に見いだされたのが「リーラー」というミュータントマウスです.1980年代までに行なわれた組織学的な研究によって,さまざまな脳領域の異常が指摘され,小脳でも,プルキンエ細胞の配置に重大なエラーがあると知られるようになりました.プルキンエ細胞は本来胎生期に小脳原基の外側(表面近く)に並ぶのですが,リーラーの小脳ではそれが果たされず,プルキンエ細胞は深いところに沈んだように留まっています.周産期の正常マウス小脳の外表面付近には,顆粒細胞(のちにプルキンエ細胞と綿密な回路を築くことになる「相棒」的ニューロン)を作り出す前駆細胞(母細胞)が居り,真下に並んだプルキンエ細胞から放出される液性のシグナル(ソニックヘッジホッグなど)によって顆粒細胞づくりを進め,そのことがボリュームに富みきちんとシワ(溝)の入った立派な小脳形成に至らせます.しかし,リーラーでは,プルキンエ細胞が正しく並ばないために顆粒細胞づくりがままならず,きわめて貧弱な(シワなしの)小脳しかできません.つまり,胎生期にプルキンエ細胞がきちんと並ぶということが,正しい小脳づくりの基礎現象としてきわめて重要なのです.
 私の発表では,リーラー変異の的として1995年に発見されたリーリン遺伝子の産物がプルキンエ細胞の配列を制御するということを実験的に確かめた1997年の自身の研究を「前座」として簡単にご紹介した後に,以降分からないままとして残った「プルキンエ細胞はいったいどのような形をしてどのように移動するのか」「リーリン蛋白はプルキンエ細胞にどんなことをさせて正しい並びに至らせるのか」という疑問に対する答えを得つつある最近の研究の成果に関してお話ししたいと考えています.単一細胞レベルで幼若ニューロンを標識しスライス培養を通じたライブ観察などを行なった結果,身体の「姿勢」制御の担い手である小脳プルキンエ細胞自身の「姿勢」制御が重要なポイントであると読めてきました.


【講師略歴】
現職:名古屋大学大学院医学系研究科細胞生物学分野 教授

学歴・職歴:
昭和63年 3月   高知医科大学(現高知大学医学部)卒業
昭和63年 5月〜  高知医科大学付属病院耳鼻咽喉科研修医・助手
平成 6年 3月   高知医科大学大学院医学研究科博士課程(小川正晴助教授)単位取得退学
平成 6年 4月〜  理化学研究所ライフサイエンス筑波研究センター奨励研究生(御子柴克彦教授)
平成 7年 4月〜  同上奨励研究生
平成 8年 4月〜  東京大学医科学研究所教務補佐員(御子柴克彦教授)
平成 9年 4月〜  日本学術振興会海外特別研究員(米国コロラド大学、Jacqueline Lee lab)
平成10年10月〜  大阪大学大学院医学系研究科助手(岡野栄之教授)
平成11年11月〜  理化学研究所脳科学総合研究センター研究員(小川正晴チームリーダー)
平成16年 1月〜  名古屋大学大学院医学系研究科教授(現在に至る)
平成20年 8月〜  生理学研究所多次元共同脳科学推進センター客員教授

所属学会:
日本神経科学会、日本発生生物学会、日本解剖学会、日本分子生物学会、日本細胞生物学会、
日本生物物理学会、Society for Neuroscience


申し込みについて
申し込み: 氏名、所属、〒、住所、電話番号、Eメールアドレスを明記の上、
Eメールで下記宛にお申し込み下さい。
申し込み先: E-mail:tkd@senri-life.or.jp
「脳と心の神秘に迫る」担当:佐渡(さど)哲夫

(財)千里ライフサイエンス振興財団
〒560-0082大阪府豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンタービル20階
TEL:06-6873-2001 FAX:06-6873-2002