趣旨
デザイン・制作プラン
 適塾は、1838年に緒方洪庵先生によって開塾されました。この適塾では、福沢諭吉や大村益次郎をはじめ多くの先覚者が日本の将来を考え、西洋の科学に追いつき、追い越せる日が来ることを信じて新しい学問に取り組みました。そしてこの適塾で学んだ塾生達は、新しい時代を切り開き、近代日本の基礎を作りあげたのであります。そして現在、日本は世界をリードする科学立国となりました。しかし創薬分野ではどうでしょう。本当の意味で世界をリードしているでしょうか。21世紀に入り、薬物概念が大きく変わってまいりました。低分子有機化合物が薬とされた時代から、遺伝子やタンパク質、さらには生きた細胞をも薬ととらえた時代になってまいりました。我々は、この薬物概念のパラダイムシフトをしっかりと捉え、新しい創薬分野を切り開いていかなければなりません。
 この新適塾では、異なるバックグラウンドを持つ若い研究者に、立場を超えて自由に議論し会える場を提供することで、薬学の未来を切り開いていく若い創薬研究者に何かヒントを与えられる21世紀の適塾になればと願い、「未来創薬への誘い」をテーマに開催いたします。多くの活発な若人の参加を期待しております。

世話人代表
大阪大学大学院薬学研究科
山元 弘
【コーディネーター】 中川 晋作(大阪大学大学院薬学研究科)
小比賀 聡(大阪大学大学院薬学研究科)



講演会のご案内
第12回
遺伝子導入技術を駆使したヒトiPS細胞の分化制御
−ヒトiPS細胞から肝細胞への高効率分化誘導技術の開発−

講師:水口 裕之
    大阪大学大学院薬学研究科 分子生物学分野 教授

日時:平成22年10月14日(木) 18:00〜20:30

場所:千里ライフサイエンスセンタービル
    (講演会)
5階 サイエンスホール   (18:00〜19:30)
    (懇親会)5階 501〜503号室   (19:30〜20:30)

参加費:講演・懇親会ともに参加費無料

(※お車でお越しの方は、懇親会でのアルコールはご遠慮下さい。)


遺伝子導入技術を駆使したヒトiPS細胞の分化制御
−ヒトiPS細胞から肝細胞への高効率分化誘導技術の開発−


水口 裕之
大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野
独立行政法人医薬基盤研究所幹細胞制御プロジェクト

 ヒト胚性幹細胞(ES細胞)やヒト人工多能性肝細胞(iPS細胞)は、肝臓等のあらゆる組織細胞に分化することから、薬物の毒性スクリーニング系や再生医療等への応用が期待されている。しかしながら、従来の液性因子(増殖因子やサイトカイン等)による分化誘導法では、ヒトES細胞やヒトiPS細胞から肝細胞への分化効率が極めて低いこと、さらに得られた細胞も薬物代謝酵素の活性が低い未成熟な肝細胞であることが課題となっている。我々は、一過性に効率良く目的遺伝子を発現させることが可能なアデノウイルスベクターの特徴を最大限に生かして、ヒトES・iPS 細胞から肝細胞への分化過程において、肝臓の発生に重要な遺伝子を適切な時期に導入することにより、肝細胞への分化を促進させることを試みている。その結果、ヒトES・iPS細胞由来の内胚葉系細胞へHEX遺伝子を導入することにより、従来法と比較し肝幹細胞への分化誘導効率が飛躍的に向上した。さらに、HEX遺伝子を導入することにより得られた肝幹細胞を肝分化に適したHGF等の液性因子を用いて培養したところ、薬物代謝活性能などにおいて胎児期肝臓に相当した機能性のある肝細胞を分化誘導することができた。また、他の機能遺伝子の導入と組み合わせることにより、さらに高い薬物代謝活性能を有する肝細胞の分化誘導に成功した。
 我々は、本研究により作製されたヒトiPS細胞由来肝細胞を、新薬開発研究過程での利用が期待される新規in vitro毒性評価系(スーパー特区研究『ヒトiPS細胞を用いた新規in vitro 毒性評価系の構築』として推進)に利用することを計画しており、本講演では、我々が取り組んでいるヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導法の開発に関する研究について紹介する。併せて、本スーパー特区研究の事業計画の概要と基盤整備の現状についても紹介する。



【講師略歴】

平成 3年 3月  大阪大学薬学部薬学科 卒業
平成 8年 3月  大阪大学大学院薬学研究科博士課程修了 博士(薬学)
平成 8年 4月  大阪大学微生物病研究所神経ウイルス分野研究員
平成 9年 4月  米国ワシントン大学医学部Senior Fellow(Dr. Mark A. Kay)
平成10年 7月  国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員
平成14年 7月  国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部主任研究官
平成16年 4月  国立医薬品食品衛生研究所大阪支所基盤研究
        第3プロジェクトチーム 副プロジェクト長
平成17年 4月  独立行政法人医薬基盤研究所遺伝子導入制御プロジェクト
        プロジェクトリーダー
平成19年 4月  大阪大学大学院薬学研究科招へい准教授(連携大学院)
        神戸大学大学院医学系研究科客員准教授(連携大学院)
平成20年10月  大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野教授(現在に至る)
        独立行政法人医薬基盤研究所遺伝子導入制御プロジェクト
        プロジェクトリーダー(併任)
平成22年 4月  独立行政法人医薬基盤研究所幹細胞制御プロジェクト
        チーフプロジェクトリーダー(併任)(現在に至る)



申し込みについて
申し込み: 氏名、所属、〒、住所、電話番号、Eメールアドレスを明記の上、
Eメールで下記宛にお申し込み下さい。
申し込み先: 「未来創薬への誘い」 sng@senri-life.or.jp

公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団

〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町1-4-2
 千里ライフサイエンスセンタービル20階
 TEL:06-6873-2001 FAX:06-6873-2002


過去の講演会(19〜22年)

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