ゲノム中の狙った配列を任意に書き換えるゲノム編集の基本的概念が考え出されたのは1990年代にまで遡る。長い技術開発の期間を経て2005年ごろにZink Finger Nuclease (ZFN) が確立し、ゲノム編集時代の幕開けを迎えた。その後、2009年Transcription activator-like effector nuclease (TALEN)、2012年CRISPR-Cas9へとツールそのものも変貌を遂げ、発展を遂げている。特にCRISPRはその編集効率や汎用性の高さから、様々な生物種へ応用され、ゲノム編集が今日の生物学研究には欠かせない実験手法となった。また、ここ数年でCRISPRを用いたゲノム編集の産業への応用も急速に進んでいる。現在、すでに複数の臨床試験が行われ、またゲノム編集によって作出された農作物の社会実装も進められている。一方、CRISPR-Cas9の発見に端を発し、細菌が持つCRISPRのさらなる理解が進められており、新たなゲノム編集技術の開発へとつながっている。今回のセミナーでは、目覚ましいスピードで発展を遂げるゲノム編集において活躍する研究者が集まり、現状そして今後の展望に関して討議する。
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ポスター リーフレット プログラム 講演要旨集
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はじめに |
広島大学大学院統合生命科学研究科
広島大学ゲノム編集イノベーションセンター
教授/センター長 山本 卓 |
ゲノム編集の基本原理と基盤技術開発 |
広島大学大学院統合生命科学研究科
広島大学ゲノム編集イノベーションセンター
教授/センター長 山本 卓 |
CRISPR-Cas3がもたらす新たなゲノム編集基盤技術 |
東京大学医科学研究所 実験動物研究施設
先進動物ゲノム研究分野
教授/施設長 真下 知士 |
CRISPR-Casタンパク質の分子機構と
立体構造に基づく理論的な新規ゲノム編集ツールの開発
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東京大学大学院理学系研究科
生物科学専攻 生物化学科
教授 濡木 理 |
一塩基編集技術の開発と応用展開 |
神戸大学先端バイオ工学研究センター
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科
副センター長/教授 西田 敬二 |
CRISPR-KOスクリーニングの開発と創薬研究への応用 |
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所
幹細胞遺伝学分野
教授 遊佐 宏介 |
世界を先導するゲノム編集作物の社会実装 |
筑波大学・生命環境系
つくば機能植物イノベーション研究センター
教授/センター長 江面 浩 |
おわりに |
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所
幹細胞遺伝学分野
教授 遊佐 宏介 |